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〈第84回全国高校ラグビー大会〉 大阪朝高、堂々のベスト16 「泣くな、胸を張れ」

 第84回全国高校ラグビーフットボール大会の3回戦が1日、近鉄花園ラグビー場(東大阪市)で行われ、前回2回戦で敗れた正智深谷高校(埼玉)への雪辱を期した大阪朝鮮高級学校(大阪第2)は17−35で惜しくも敗れた。しかし、堂々のベスト16入り。シード校を相手に互角の戦いを演じた大阪朝高フィフティーンに、約1万人の同胞、学生、日本のラグビー関係者らは「よくやった。胸を張れ」と惜しみない拍手を送っていた。(本紙取材班=金明c、韓昌健記者、写真=姜鐘錫記者)

同胞、日本人が大きな声援

後半24分、大阪朝高が逆転トライ(3回戦、対正智深谷戦)

 「恐れることは何もない。思いっきりぶつかっていけ」。グラウンドに入場する選手らに金信男監督(43)の檄が飛んだ。

 前回敗れた正智深谷高校に雪辱を果たすために臨んだ大事な1戦。否が応でも選手たちに気合いが入った。

 序盤から大阪朝高は果敢に攻め立て、何度もトライのチャンスを演出するも惜しい場面で相手ボールに。前半15分以降、徐々にトンガ人留学生を擁する正智深谷が実力を発揮しはじめ、17分、27分にトライ、ゴールと14点のリードを許す。

 しかし、大阪朝高は前半終了間際に底力を発揮した。30分、WTBの夫太洲選手(3年)が右ライン際を突破し、22メートルライン付近でキックしたボールを自ら押さえ、右隅にトライ。SOの趙顕哲選手(3年)もゴールを成功させ7−14で前半を折り返した。

 前半のトライで息を吹き返した大阪朝高は、後半にその勢いを爆発させた。

 19分にWTBの安柄秀選手(3年)、24分にはFLの河勇吉選手(主将、3年)のトライで逆転に成功した。

 残り5分に差し掛かったあとの逆転劇に総立ちで抱き合い勝利を確信する同胞応援席。朝高応援団の脳裏に「勝利」の2文字がよぎった。

最後まで応援してくれた同胞たちに深々とあいさつする選手たち。しかし、いつまでも頭をあげることができなかった

 しかし、そこからラスト5分、トンガ人留学生の破壊力が爆発し、歓声が悲鳴に変わった。WTBロアマヌの強烈な突破を含む3本のトライを奪われた。

 17−35でノーサイド。雪辱を果たせなかった選手たちはグラウンドに崩れ落ちた。しかし、ノーシードの大阪朝高が終了5分前まで互角の戦いを演じた好ゲームに、同胞、日本人ら観客たちは賞賛を惜しまなかった。

 号泣する選手らに金監督は、「泣くな。胸を張れ。1、2年生、この日をしっかり胸に刻め」と声を上げた。

 主将の河勇吉選手は、「元日の3回戦に来るのが一つの目標だった。逆転したあとの甘さがこういう結果になった。雪辱を果たせず本当に悔しい。全国制覇を後輩に託したい」と目を潤ませた。

 金監督は「シード校と互角に渡り合えたことを誇りに思う。同胞だけでなく、多くの日本人が大きな声援を送ってくれた。朝高の活躍で日本ラグビー界にこれからも貢献していきたい」と語った。

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[朝鮮新報 2005.1.6]