NYフィルが平壌で公演 米音楽使節の華やかな演奏 |
朝米国歌、「新世界より」など 【平壌発=金志永、呉陽希記者】米国の著名な交響楽団であるニューヨーク・フィルハーモニックの公演が2月26日夕、平壌市内の東平壌大劇場で行われた。米国の交響楽団が朝鮮で公演するのは初めて。公演は国内と全世界へ生中継された。聴衆は米国の芸術使節を温かく迎え、世界トップレベルの演奏に熱烈な拍手を送った。
朝鮮文化省と朝鮮芸術交流協会の招請により2月25〜27日まで訪朝した一行は、指揮者のロリン・マゼール氏ら同フィルのメンバー100余人とその家族、関係者、同行記者団を含め総勢260余人。 公演当日、会場の東平壌大劇場は1500席がびっしりと埋まった。同劇場は今回の公演用に音響設備などが特別に改造された。 この日の公演を最高人民会議常任委員会の楊亨燮副委員長、康能洙文化相をはじめとする国家の幹部と各階層の平壌市民が観覧した。 舞台には朝米両国の国旗が掲げられた。奏者に続き指揮者が姿を現すと、聴衆は熱烈な拍手で迎えた。 朝米両国の国歌が演奏されると、聴衆は起立し、会場は崇厳な雰囲気に包まれた。 続いてワーグナーの「ローエングリン」第3幕への前奏曲、ドボルザークの交響曲9番「新世界より」、ガーシュウィンの交響詩「パリのアメリカ人」が演奏された。また、アンコール曲としてビゼーの「アルルの女」、バーンスタインの「キャンディード」序曲が披露された。 聴衆は洗練された指揮と力強く華やかな演奏に酔いしれた。曲が終わるたびに割れるような拍手が沸き上がった。 アンコールの最後には朝鮮の曲「アリラン」が特別演奏された。 公演が終わるとは聴衆は「ブラボー!」の歓呼とスタンディングオベーションで演奏を称えた。 公演を観覧した国立交響楽団のキム・ビョンファ首席指揮者は、「世界的に有名なニューヨーク・フィルがわが国を訪問したことはとても喜ばしいこと。演奏レベルが非常に高くアンサンブルもすばらしかった」と感想を語った。 平壌市人民委員会のキム・ジョンシク副委員長も、「会場を訪れた人だけでなく、テレビ画面を通じて多くの人びとが公演を見た。今日のような文化芸術行事は米国に対する理解を深め相互信頼を築くうえで意義が大きい」と述べた。 朝米両国政府の関心の下で実現したニューヨーク・フィルの平壌公演は、6者会談の進展に象徴される朝鮮半島情勢発展の新たな流れを象徴するイベントになった。 会場には、クリントン政権時代に国防長官と対朝鮮政策調整官を歴任したウィリアム・ペリー氏をはじめ朝米関係にゆかりのある来賓の姿もあった。朝鮮外務省関係者も「古い友人と会った。(朝米両国関係が)良くなることを願う」と話していた。 一方、今回の公演を前に、新聞やテレビなどの国内メディアは、ニューヨーク・フィルをはじめとする各国のオーケストラを紹介し交響楽の世界的趨勢について解説する特集を連日組んだ。朝鮮中央通信は同フィルの訪問を予告する記事を配信した。 朝鮮中央テレビは、当日午後6時から公演を全国に生放送した。 (関連記事) [朝鮮新報 2008.2.29] |